うそ
よく嘘をついていました。
たわいのない嘘。
生バナナパフェの生って生クリームの生?と知人に聞かれ、
お前、知らないの?普通に売ってるバナナって
あれ発酵させたやつなんだよ
などと嘘と呼べるかわからないくらい
あまりにどうでもいい言葉を吐き、
それについて10分以上長々と講釈したり。
先日、その知人に2年ぶりに会いました。
お前はあの時、普通のバナナは発酵させてあるとか
言ってたけど、違ったぞ。昨日、友人に話したら笑われた、と。
自分は会うまでそんな嘘、すっかり忘れていました。
そして知人はそれを嘘と思わずにいたのです。
はっとしました。
何の気なしについた嘘が、2年越しに暴かれて、
今にたどり着いたのだ。
そのことはなんだか愉快であり、
しかし同時に罪悪感を抱かせるものでした。
意識していたかどうかにかかわらず、
2年間、この嘘を信じてくれていたのです。
自分を信じてくれていたのです。
何とも言えぬ気持でした。
だからといって、今も変わらず嘘をつくのですけれど。