2018/11/17 17:54
寝ていたらベッドに誰かが腰かけるような沈みを感じ目が覚める。
捲れていた布団を直されたようだった。
母親かなあなどと呆けた頭で思うが、
一人暮らしをしている今ここに自分以外の人間がいるはずがない。
ハッとして起き上がる。
誰もいない。
気のせいだろうか。
また眠ることにする。
少しするとベッドに人が近づいてくる床を擦る足音がする。
眠気からか目を開いていてもあまりよく見えない。
視界がぼやけている。
やみくもに手を伸ばして掴む。
その太さから、どうやら首のようだと思う。
力を込めようかと思うが、そんなことをしてもいいのだろうかと
急に怖気づいて中途半端に力が入った状態になる。
そうして少したっても振り払われるでもなく、動きもしない。
まだ視界ははっきりしていない。
誰ですかと声をかけようとするがかすれてしまって音にならない。
途端に相手の身体が動くのを感じる。
ようやく危機感からか脳が覚醒したようで、視界がクリアになる。
その間に誰かがぐいと此方の腹部にまたがってくる。
肩を抑えられ、動けない。
眼前数センチのところに顔が近づいてくる。
おんなだ。と思う。
目を覗き込まれる。
鼻に温かく生臭い息が当たる。
右唇の端に濡れた感触がする。
視界いっぱいに相手の目が見えている。
その目を見ていたくなくて瞼を強く閉じると、
途端に身体から重みを感じなくなり、
おんながベッドを降りたような音がする。
がばりと起き上がり、辺りを見回すが
誰もいない。
右唇に手を当てると
湿っているようないないような判別のつかない感覚を覚える。
時計を見るとベッドに入ってから2時間程度だった。
午睡をしたせいでかえって疲れてしまった。